東京日本橋道院は金剛禅の教えを享受し、教えを学びながら技術の研鑽に取り組む心身を練磨する場です。道院長も門下生と同じ道を歩む修行者であります。とくに易筋行では「乱武」という考えを大切にし、演武は乱捕りように、乱捕りは演武のようになるよう修練します。他にも当道院の目指す修練について以下に記します。

金剛禅のついて

金剛禅の教えとは、生きている人間が、拳禅一如のたゆまぬ修行を積み、先ず自分が真に寄り所とできる自己を確立し、半ばは他人(ひと)の幸せと社会の発展のため役立つ人間になろうというものです。

基本について

基本は技術を習得する上で最も重要なものです。突き・蹴り・受けなどの剛法、抜技・逆技・投げ技などの柔法は全て基本を疎かにして上達はありえません。手捌き、足捌き、体捌きが無理なく、無駄なく、斑(ムラ)なく動けることを目指します。

資格別修練について

当道院では武階に応じた修練ではなく、個々に合わせて技を教授します。昇格を目指す時はそれらに向けた修練を行います。また形だけに捉われてしまわないよう。いざとなった時に技が使えることを目指します。

乱捕り(運用法)について

基本技術がある程度身についた段階からは実践的な乱捕りの修練を行ないます。少林寺拳法の技術は剛柔一体であり、剛法と柔法が織り成す技で構成されるため、多彩な術を巧みに操ることが可能になります。動きの中で正しい技を身につけるためにも、計画性のある乱捕稽古は必須であり、演武だけしか行わない姿勢は批判されるべきです。

演武のついて

当院では運用法と見分けがつきにくいほど武的要素の高い演武を目指します。決められた技で構成する演武は、より激しく行い、乱捕は限定度が少なくなる程、より冷静に行うべきです。

昇級昇段・大会参加について

宗門の行である以上、当道院は大会出場や昇級昇段を勧めることはありません。そもそも少林寺拳法の修練をすることを喜びとする拳士の集まりです。各個人の目的は尊重すべきことであり、強いることではありません。

学童期(小学生)の指導について

小学生は技の上達よりも先ず心身の基礎を育むことや礼節を学ぶことが大切であると考えています。何よりも本人が好きで道場に通うことが重要であるので、自己成長のためにも親御さんの干渉は控えて頂きます。

青年期Ⅰ(中学生・高校生)の指導について

身体的な成長が著しい時期ですが、それに伴った精神力を養って欲しい時期であるため、自信をつけるための確かな技術向上を目指す指導を行ないます。

青年期Ⅱ(大学生・20代前半)の指導について

気力・体力ともに充実している時期であり、技の冴え・力のある動きを伸ばすために、この機会を逃さまいと心身の鍛錬指導を行ないます。結果を求めるようであれば、それらに応じた指導も行います。

成人期(20代後半〜39歳)の指導について

技の練度を磨きながら、後進の指導を行えるようにする時期です。単にスピードやパワーを鍛えるのではなく、自身の特徴を生かす拳法の修練を行ないます。